産業向けロボットアーム販売などのGRIPS(グリプス、千葉・流山市)は9月26日、電気通信大学発のベンチャーで小型ロボット開発のMTMシステムズ(東京・調布)、バイオ・メディカル・診断関連の装置開発のLuominen Lab(ルミネンラボ、東京・世田谷区)などと共同で、オープンソース技術をベースにした高精度自動分注システムの開発プロジェクトに着手すると発表した。
開発プロジェクトで構築するシステムは、自動分注機、産業用ロボットアーム、産業PC上に実装された汎用ロボット制御プラットフォーム「ROSSetter」で構成する。
「ROSSetter」は、グリプスが独自に開発を進めるロボット用OS「ROS2」をベースにした汎用ロボットコントローラ。プロジェクトではベータ版をシステム全体の統合コントローラとして採用する。
グリプスによると、労働人口減少に伴う人材不足と生産性向上に向けた省力化の課題解決策として、研究室やラボで自動分注機システムには強いニーズがあるが、自動分注機と外部機器を使った前後工程との連携動作に高額なインテグレーション費用が必要となっていたという。そこで今回、この課題解決でオープンソース技術を駆使し低価格自動分注機システムの実現を目指すことにした。
同社では、本プロジェクトの成果物を活用することで、特にメディカル、バイオ分野の実験室での創薬や新材料開発などの膨大な繰り返し実験作業の自動化が可能となり、短期間で安価に高精度な実験データを獲得できるとしている。