ロボットベンチャーのFingerVision(フィンガービジョン、東京・文京区)は9月29日、経済産業省の「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に、ロボットベンダーで参画すると発表した。
「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」は、経産省が2020年度からロボットの社会実装を目的に推進する予算事業。「施設管理」「食品」「小売り」「物流倉庫」を対象に重点的に支援措置が進めている。2023年度は「食品」分野で、日本総菜協会が代表幹事として採択された。
今回、フィンガービジョンは、日本総菜協会から委託先として事業に参画する。日本総菜協会では、フィンガービジョンが持つロボットの手に視触覚センサーを搭載した「触覚ハンド」が、コア技術として多品種食材対応可能なロボットシステム開発につながると評価した。
「触覚ハンド」は、食材を傷つけない最小の力で触れながら、持ち上げた瞬間に滑りを検知し落とさず食材をつかむことができるロボット技術。同社は、搭載したロボットを食品加工工場で既に導入している。
今回の事業では、ロボット技術ベンダーの1社となる安川電機のロボットを軸に共同開発を進め、ロボットシステムとしての機能性・利便性の強化を図る。「触覚ハンド」が食品盛り付けと技術的な親和性があるとみており、今後、利用範囲の拡大を進めるとしている。