ウインドリバー、リバーフィールドが手術支援ロボット開発でリアルタイムOSを利用

手術支援ロボット「Saroaサージカルシステム」

インテリジェントシステム開発のウインドリバー(東京・渋谷区)は10月18日、リバーフィールド(東京・港区)が、手術支援ロボット「Saroaサージカルシステム」を、同社の組み込みシステム向けリアルタイムOS(基本ソフト)「VxWorks」を利用して開発したと発表した。

リバーフィールドは、東京工業大学と東京医科歯科大学発ベンチャー企業で、医工連携による国産の手術支援ロボット開発を手がける。同社の「Saroaサージカルシステム」は、ロボット鉗子の駆動に空気圧を使うことで、力覚を再現する手術支援ロボット。

ロボットの空気圧システムの精度制御技術は、精密な外科手術に不可欠な握る力、つかむ力、引っ張る力といった力覚を実現した。従来の手術用ロボットにはなかった力覚を持ち、ロボットを操作する医師が自分の手で直接手術しているような感覚を得ることができるため、手術時の操作の精度がより高くなると期待されている。

ロボットで採用した空気圧システムは、力センサーを利用することなく、力覚フィードバックを実現できることが大きなメリットである一方、構成要素が多く、制御が複雑で難しいという課題があった。

そこで、リバーフィールドは、手術の現場で欠かすことができない高速な応答性能、信頼性、安全性を兼ね備えたリアルタイムOSとしてVxWorksを採用した。VxWorksを使用することで、サブマイクロ秒レベルの高速な応答時間でリアルタイム処理を実行し、空気圧や、そのほかの必要なアプリケーションを高速、高精度で制御できるようになったという。