農業ロボット開発などを手掛けるAGRIST(アグリスト、宮崎・新富町)は11月1日、仮設機材の開発などのタカミヤ(大阪市)の愛菜羽生農場(埼玉・羽生市)が、キュウリ収穫ロボットを9月に導入したと発表した。
キュウリ収穫ロボットは、搭載するカメラから作物を認識し、AI(人工知能)が大きさを判断し収穫動作を行う。収穫ハンドには吸引タイプの収穫ハンドを採用しており、栽培環境や作物を傷つけずに収獲できる。1本100グラム以上のキュウリをより多く収穫するために、安定性の高いレール走行式モデルで移動する。AGRISTが手掛けたピーマン収穫ロボットの技術を応用し開発した。
AGRISTは、キュウリ収穫ロボットの導入に向け、実証実験を実施。収穫性能や収穫スピードを大きく向上させたほか、1回の充電で10時間の稼働ができるようにした。また、、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure(アジュール)」を活用したデータ蓄積基盤と連携し、スマホを活用しながら日々の収穫データを可視化して分析を可能にした。
さらに、導入後に分かった改善点はすぐに修正を実施。当初のキュウリ探索方法は、移動動作と探索動作が別々に動き、左右の畝の収穫を3往復で行っていたが、改善後には、1往復で移動しながら探索するように変更し、大幅な時間短縮につなげた。
同社では「今後も実際の圃場でのロボット運用を通して、人とロボットにとってそれぞれ最適な形を模索し、人とロボットが協働する、新たな農業の形を創り上げていきたい」(増渕武・キュウリ収穫ロボット設計開発リーダー)としている。