安田倉庫は11月7日、ロボットソリューション導入し、作業員とロボットが協働し生産性を向上する倉庫の自動化オペレーションを構築したと発表した。
同社は2021年のDX（デジタルトランスフォーメーション）事業推進室の立ち上げた以降、労働力不足などの物流課題の解決に向け、物流オペレーションを省人・省力化する自動化ソリューションを積極的に活用している。その取り組みとして、AMR（自律走行搬送ロボット）、AGV（無人搬送車）、ロボットソーター、無人フォークリフトなどの自動化ソリューションを導入した。
厚木営業所では、ラピュタロボティクスの協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」の導入し、ピッキング作業の搬送工程の自動化と、歩行時間の削減、手ぶらピッキングによる作業スタッフの身体的負担を軽減した。また、ラピュタPA-AMRから得られる物流データを活用し、作業スタッフの生産性を可視化し分析する改善活動と、ロボットのパフォーマンスを最大限発揮するレイアウト修正などを行い、作業生産性を導入前と比較し約80％向上させた。
また、東雲営業所では、立山マシン（富山・富山市）の低床型自律走行搬送ロボットのを導入。重量500kgを超えるカゴ台車の搬送作業を自動化し、生産性向上と身体的負担の軽減につなげた。
ロボット単体の利用に加え、RFIDソリューションも活用し、トラックヤードの納品方面別の自動仕分け搬送作業を実現した結果、作業生産性を約2倍に高めた。システムは、トラックドライバーが引き取り製品を探索する作業時間を削減できるため、ドライバーの労働時間削減を始めとする2024年問題の課題を解決するソリューションの1つと位置付けている。
同時に、ラピュタロボティクスのAGF（自動フォークリフト）「ラピュタ自動フォークリフト」も導入。倉庫オペレーションの標準化、平準化、省人化を実現した。具体的には、AGFが上下階へ貨物を搬送する垂直搬送機と自動信号と連携することで、出荷時のトラックバースへの貨物搬出や、入荷時のトラックバースから垂直搬送機への搬入を無人作業が可能になった。
同社では従来人手が必要だった貨物の定点間搬送が自動化できたことで、労働力の確保を始め、メディカル製品の検査・修理・流通加工などの付加価値の高い業務に人材をシフトが可能になり、メディカル物流サービスの拡充と顧客に提供可能なソリューションの強化を図るとしている
さらに、グループの北海安田倉庫は、プラスオートメーション（東京・江東区）のロボットソーター「t-Sort」のソリューションを採用し、迅速で正確な仕分け作業を実現した。また、「t-Sort」と従来型の固定式ソーターを併用することで、導入前と比較して作業生産性を約2倍に向上させた。
安田倉庫では、今後も、生産性向上とサステナブル（持続可能）な物流構築を目指し、物流現場DXを推進し、付加価値の高いソリューションを提供していく考え。
