セイノーHDなど3社、兵庫・養父市とドローン配送を活用の地域課題解決で連携

(左から)田路圭輔・エアロネクスト代表取締役CEO、広瀬栄・養父市長、和田悟・セイノーHDラストワンマイル推進チーム課長、森嶋俊弘・KDDIスマートドローンソリューションビジネス推進2部部長

セイノーホールディングス(HD)は2月14日、兵庫県養父市、KDDIスマートドローン、エアロネクストと、養父市の地域課題解決で、ドローン配送を活用する連携協定を、2月8日に締結したと発表した。

協定は、養父市が抱える過疎化による地域課題に対し、ドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」を利用し、サービスの社会実装と地域発展を図る施策の推進が目的。

具体的には、持続可能な地域物流の確保と住みやすい環境づくり、地域雇用や人材教育、人材育成と産業基盤整備、地域防災や地域の脱炭素への貢献と新しい社会インフラ整備、地域医療と福祉の充実・発展で連携する。

4者は、今回の協定を受け、「遠隔診療による医療の安心」を将来にわたる提供を目的として、ドローンが診療所で医薬品を集荷し、住民宅周辺に配送する実証実験を実施。「買い物弱者」「災害時の孤立地域発生」などの課題解決を想定した、食料品や日用品の配送実証も行った。

0214sinohd2 - セイノーHDなど3社、兵庫・養父市とドローン配送を活用の地域課題解決で連携
診療所から離陸するドローン

医療品配送では、関宮学園からドローンが飛行を開始し、出合診療所で、約0.6kgの医薬品を集荷、配送先の轟地区に届けた。飛行距離は約9.76km、飛行時間は約29分だった。一方、食品・日用品配送については関宮地域局からドローンを飛ばし、約1.9kgの荷物を配送先の出合コミュニティスポーツセンターに搬送した。飛行距離は約11km、飛行時間は約27分だった。

0214sinohd3 - セイノーHDなど3社、兵庫・養父市とドローン配送を活用の地域課題解決で連携
医療品を受け渡す様子

配送には、物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用し、レベル3.5(無人地帯上空での目視外自律飛行)の飛行で実施。運航はエアロネクストの子会社でドローン配送事業を主事業とするネクストデリバリーとKDDIスマートドローンが行い、機体の制御には、KDDIスマートドローンのモバイル通信で機体の遠隔制御と自律飛行を支援するシステム「スマートドローンツールズ」の運航管理機能を利用した。

0214sinohd4 - セイノーHDなど3社、兵庫・養父市とドローン配送を活用の地域課題解決で連携
関宮学園の子供たちが用意したメッセージを掲げる様子

実証実験に加え、地域住民の受容性向上・理解促進を図るため、関宮学園でドローンのプレゼンテーションや子供たちが用意したメッセージを出合診療所に配送するデモも行った。