リモートロボティクス(東京・港区)は3月18日、パーソルクロステクノロジー(東京・新宿区)と、ロボットを遠隔操作する人材と、働き手を求める企業をつなぐマッチングサービス提供に向け、ユーザーエクスペリエンス(UX)の検証を2月19日に実施したと発表した。
検証では、リモートロボットシステムを導入した事業者から、人材パートナーでパーソルクロステクノロジーがロボットの遠隔操作業務の実施依頼を受けたと仮定。パーソル所属のリモートワーカーへの教育と受託した業務を遂行を想定し、ユーザーエクスペリエンスを確かめた。事業者は豊電子工業(愛知・刈谷市)が協力した。
具体的には、豊電子工業の工場で、リモートワーカーを管理するパーソルクロステクノロジーのSV(スーパーバイザー)が、対象のリモートロボットシステムを実際に見ながら、システム概要と遠隔操作業務の内容を理解し、リモートワーカー向けの作業手順書を作成。
豊電子工業の会議室で、パーソルクロステクノロジーのSVが作成した作業手順書を元に、リモートロボットシステムへの知識がないリモートワーカーの対象者に対し、対面でOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング、職場内訓練)を実施。OJTを受けたリモートワーカーが、実際にロボットの遠隔操作が実行できるかを検証した。
また、リモートロボットシステムを見たことがない、パーソルクロステクノロジーの本社にいるリモートワーカーの対象者に、SVが愛知県からオンラインでOJTを実施。OJTを受けたリモートワーカーが、東京から愛知県にあるロボットの遠隔操作を実行できるかを確かめた。
検証の結果、リモートロボティクスは、提供するロボット遠隔クラウドサービス「Remolink(リモリンク)」の機能は、ロボットの遠隔操作業務の実施で十分であることや、リモートワーカー業務の質を向上するため、作業手順書や情報表示のユーザーインターフェイス、ユーザーエクスペリエンスの改善余地があることが分かった。
パーソルクロステクノロジーでは、業務開始に必要なロボットの遠隔操作訓練回数は想定の5分の1の結果で、SVが作成した作業手順書を使ったOJT形式のトレーニングがリモートワーカーに効果的であることや、OJT形式のトレーニングはオンライン形式でも有効なことが判明した。
豊電子工業については、リモートワーカーがロボットの遠隔操作を迷いなく確実に行うために、作業手順と遠隔操作アプリケーション操作が1対1になるシステム構築が必要と分かった。
2社は、今回の検証を踏まえ、今後も複数のデモシステムやエンドユーザーさまの環境にて検証を進め、働き手を求める企業と新たな働き方を求めるワーカーが安心して利用できるサービスの構築を目指すとしている。