野村不動産ホールディングス(HD)は4日、KDDI、KDDI総合研究所と、横浜市にある大規模マンション「プラウドシティ日吉」の住民を対象に、ロボットを使った商品配送の実証実験を、3月17日から31日まで実施したと発表した。
実証実験では、マンションの居住者から実験用ECサイトを通じて、約100件の注文を受け付け、ロボットがプラウドシティ日吉の商業施設から住戸の玄関前まで商品を配送した。
3社は、実験を通じて、ロボットを活用した商品配送が、労働力不足の解決や住宅居住者の新たな価値提供につながるかを評価。マンション内のエレベーターなどを利用してロボットが商品を配送する際の技術的な課題の抽出も行った。
その結果、ロボット配送に対する住民の受容性については、実験参加者の86%が、初めて商品配送サービスを利用したと回答し、同時にロボットに対する好意的な意見やニーズがあったことから、ロボットによる商品配送に受容性があることがわかった。
また、エレベーターの待ち時間などを含めたマンション内の商品配送にかかる時間は一注文あたり約30分だった。そのため、複数の注文を1度の配送で処理するなど、配送の効率化が必要なことを確かめた。
3社では今後、実証実験の結果を踏まえ、注文の混雑時間と閑散時間を考慮したロボット配備計画の検討を進めるとともに、複数注文の1度での配送処理、エレベーターとの自動連携、風雨への対応などが可能なロボットの導入を検討するとしている。