トルビズオンは8月30日、ドローン販売のセキド(東京・港区)やアイテム(佐賀・多久市)と、佐賀県唐津市で、中国DJIのドローン「FlyCart30」を使用したリレー輸送の実証実験に成功したと発表した。
実証実験では、唐津市の湊から神集島間のルートで、3台の「FlyCart30」を同時に運用し、唐津市の非常災害備蓄物資として1トンの水を搬送。物資輸送速度と搬送能力、3台の同時飛行時の空路設計とリスクアセスメント、空路間の通信の安定性と通信手法の最適化、海上でのドローン飛行の安全性とリスク管理、漁協や通船との連携、離発着場の確保と調整、緊急時の自動帰還性能と障害物回避能力の検証と、データ収集を行った。
その結果、合計3時間15分で、1トンの水を搬送。現地リスクアセスメントの3往復分にかかった時間は1時間30分、リスクアセスメント後の往復飛行時間は7.1分となった。また、片道の飛行距離が約1600~1800m、往復でも4km弱だったことで、実証中にモーター温度の上昇もなかった。
トルビズオンでは、実証の結果を受け「今回の成果を基に、『FlyCart30』の運用技術を発展させ、佐賀県全域での空路整備事業『S:ROAD(エスロード)』に取り組んでいく。今回は唐津市での実験だったが、多久市や小城市など、すでに連携する自治体との協力を強化し、佐賀県全体で大型ドローン物流のユースケース掘り起こしや空路整備を推進していく」(増本衛・代表取締役)としている。