「空飛ぶクルマ」の開発ベンチャーのスカイリンクテクノロジーズ(神戸市)は9月2日、大規模災害時に救援物資や医療品の搬送などで活用が見込まれる長距離飛行可能なチルトウイング機構を搭載したVTOL機(垂直離着陸機)の製造技術をドローンメーカーなどに供与を開始すると発表した。
スカイリンクテクノロジーズでは、エンジン式チルトウイングのVTOL機の研究・開発を進める一方で、航空法の緩和で、無人地帯を飛行する「レベル3」や、有人地帯で補助者なし目視外飛行する「レベル4」が可能なる中、ドローンでは難しい長距離飛行の需要が高まりつつあるとして、ドローンメーカーなどと共同でソリューションを開発することを狙って、チルトウイング機構の製造技術を供与することにした。
具体的には、チルトウイング機構と姿勢制御プログラムを提供。ドローンメーカーが持つ、エンジン式の産業用ヘリコプターの機体をベースに組み合わせることで、長距離飛行が可能なチルトウイング機を、安価に手早く開発できるようにする。
同社では、ドローンメーカーが時間とコストを削減しながら、「長距離飛行」というニーズに応えられる、競争力の高いチルトウイング機のラインを獲得できるとしている。