スーパーホテル（大阪市）は9月3日、USEN-ALMEX（東京・品川区）と、ホテルフロントサービスロボット「ClerkBot（クラークボット、開発コードネーム)」の実証実験を、スーパーホテルの「湯元『花乃井』スーパーホテル大阪天然温泉」（大阪市）で開始したと発表した。
「ClerkBot」は、全長が1200mm、重さ60kgで、10.25インチのタッチパネルとQRリーダー、サーマルプリンターなどチェックインに必要な機器を搭載したサービスロボット。スーパーホテルが協力し、USEN-ALMEXが開発した。
前方の角度可変カメラと後方3Dカメラでゲストの動きを認識し、館内を移動しながら映像、音声、字幕表示で多言語の案内が可能。「チェックインモード」と「案内モード」を備えており、タイムスケジュールや画面操作でモードを切り替えられる。カウンターからリモート操作で切り替えも可能。
行動範囲をあらかじめ指定し、自律的に充電ステーションと時間指定した待機場所を行き来して動作できるため、来館者とホテルスタッフに対し、安全な運用ができるという。
実証実験では、「湯元『花乃井』スーパーホテル大阪天然温泉」のフロントスタッフとして『ClerkBot』1台を稼働し、日本人客のチェックイン対応や、日本語、英語、韓国語、中国語（簡体字）の4か国語で温泉施設などを案内する。
チェックインは、ロボットにUSEN-ALMEXとスーパーホテルが共同で開発した「モバイルチェックインシステム」のマルチ二次元バーコードリーダーを搭載。ロボットのモニター画面から、スーパーホテル公式アプリや、宿泊予約サイトが発行する予約完了の二次元バーコードを読み取ることでスピーディーな対応を行う。
一方、4か国語の案内では、外国人客向けに、ホテル錠の使い方やウエルカムバーの案内など6項目を対象のルートを通り、その場所や所定の位置に移動して館内を案内する。
ロボットは、モニター画面をタッチか音声入力することで、館内案内書類から人工知能で適切な回答文章を自動生成し、読み上げと字幕表示を行う。また、カメラで人物を認識すると自動で音声入力モードに切り替え、読み上げると同時にモニター画面に、字幕を表示する。
スーパーホテルとUSENは、ホテルでの来客対応を通じて、ロボットの有効性やフロント業務効率化の貢献度などを計測する。今後は実証実験結果を基に、「第2フェーズ」として本格導入を見据えた機能を追加すると共に、地域やホテル特性を考慮した全店で導入可能な汎用（はんよう）性が高いロボットに仕上げる考え。
