ワイヤレスモジュール開発などのウィビコム(新潟・新潟市)は11月6日、NTTテクノクロスと、NTTコムウェアが実施したローカル5Gを活用したロボット制御と映像伝送の検証試験に、ローカル5G基地局とコアネットワークを提供したと発表した。
NTTコムウェアが実施した検証試験では、無線でロボット制御時の遅延や通信の信頼性といった課題を、ローカル5Gのインフラで解決できるかを検証した。検証の結果、ローカル5Gとロボット接続時の通信の安定性では、L2TPルーターを使用することで既存のWi-Fi環境をそのままローカル5Gの環境に置き換え、ローカル5Gでロボットを制御できることを確認した。
また、電波の回り込みについて、電波遮蔽(しゃへい)物の有無、基地局との距離、ロボットの向きなど、さまざまな環境要因が無線回線品質に与える影響を検証した。全7カ所の測定地点で、SINR(信号対干渉波雑音比))を使った回線品質の計測を実施した結果、回線品質はどの測定地点でも常に高い数字を記録。ローカル5G通信で、遮蔽物や基地局との距離、ロボットの向きは回線品質に影響を与えないことを確かめた。
映像伝送の検証では、アップリンクの通信量を増やすローカル5Gの準同期TDD1通信方式を採用し、ビットレート40Mbps、H264形式、ストリーミングバッファ100msの仕様で4K映像伝送試験を実施。その結果、平均遅延は約0.48秒となった。
ウィビコムでは、今回の試験を通じて、ローカル5G通信は遮蔽物に強く、安定しており、ロボットの遠隔操作の用途で優位性があることが検証できたとしている。