ロックガレッジ、水上構造物点検ホバークラフト水上ドローン開発、橋梁点検実証に成功

ロックガレッジが開発した水上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローン
ロックガレッジが開発した水上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローン

ドローン関連ソフトウエア開発などのロックガレッジ(茨城・古河市)は2月18日、2022年度の経済産業省の事業で進めてきたプロジェクトで、水上構造物点検用ホバークラフト型水上ドローンを開発し、PoC(概念実証)の完了とドローンの橋梁(きょうりょう)点検の実証の成功を発表した。

同社が開発した水上ドローンは、全方向移動可能なホバークラフト型で、陸上用ホバークラフトの製作ノウハウを応用し、水上移動に適した水上用ドローン機体を設計・製作した。設計では、水陸空の移動に対応した移動体の実現が可能な推進機構を発明し、特許出願と登録を行った。

ドローンの開発は、同社が経済産業省事業の2022年度の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」に採択されたプロジェクトで実施した。水上で全方向に移動可能な移動ロボットを創出し、飛行型ドローンでアクセスが難しく危険を伴う狭所に対して、新しい点検手段の提供を目的に、水上構造物点検用のホバークラフト型水上ドローンの開発を進めてきた。

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水面を移動する水上ドローン

プロジェクトでは、水路点検の自動化の自律制御で、水流や慣性の影響で困難になる操縦の補助用にフィードバック制御を活用した操縦アシストをドローンに実装。

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FPV(一人称視点)操縦システム

機体の設計と製作、小型化を図ると共に、制御ソフトウエア開発や、360度カメラを活用したFPV(一人称視点)操縦システムを開発した。また、最終年度の今年は、これまで課題だった走行性能の向上と、機体が撮影した映像のクラウドサーバーへの自動送信と配信、水上構造物を対象とした機体搭載カメラの点検撮影に取り組み、実現した。

今後は、機体の実地検証を継続し、ユーザーからのフィードバックを基に改良を加え、社会実装を目指す。また、自社開発した独自の情報共有システム 「3rd-EYE」と連携させることで、リアルタイムの点検映像をスマートグラスやタブレット上に配信し、AI(人工知能)処理の適用をクラウドで実行できるようにする考え。