スカイピークとJR東海、レベル3.5飛行ドローンの鉄道設備点検を実証実験

自動飛行実験の様子(愛知県一宮市~岐阜県羽島市)
自動飛行実験の様子(愛知県一宮市~岐阜県羽島市)

産業用ドローンの人材育成などを手がけるスカイピーク(東京・渋谷区)は4月21日、東海旅客鉄道(JR東海)と、鉄道施設周辺での安全なドローン目視外飛行運用の検証で、「レベル3.5飛行」の実証実験を3月24日に実施したと発表した。

0421skypeak2 - スカイピークとJR東海、レベル3.5飛行ドローンの鉄道設備点検を実証実験
実証実験で使用したイームズロボティクスのドローン「UAV-E6106FLMP2」

実証実験では、UTM(運行管理システム)と経路逸脱検知機能を活用したドローンの目視外・自動飛行の点検業務として、東海道新幹線のトラス橋(愛知県一宮市~岐阜県羽島市の区間)を「レベル3.5飛行」で撮影した。また、目視外・自動飛行で遠隔からのオペレーションなどの管理体制も検証した。

0421skypeak3 - スカイピークとJR東海、レベル3.5飛行ドローンの鉄道設備点検を実証実験
実験で使用したトラジェクトリーのUTM「TRJX」

実験の結果、ドローンの「レベル3.5飛行」と、UTM、経路逸脱検知機能を活用することで列車が安全に運行できる十分な離隔を保ちながら点検業務を実施できることを確認できた。

JR東海では、鉄道の安全と安定輸送確保のための鉄道設備の継続的な点検で、係員が目視点検することに加え、橋りょうなどでドローンを使った点検も取り入れている。同社は現在、ドローンを目視内飛行(レベル1~2)で活用しているが、将来の労働力人口の減少を見据え、より効率的な点検業務で、目視外飛行(レベル3~4)の活用も視野に入れている。

JR東海とスカイピークでは、ドローンの「レベル3.5飛行」での点検業務が可能な実証実験の結果を踏まえ、今後も点検業務の効率化と高度化を目指し、検討を進めるとしている。