
豊田通商は5月30日、ドローンとセンシング機器開発を手がけるamuse oneself(アミューズワンセルフ、大阪市)に出資したと発表した。出資を通じて、ドローン物流子会社の「そらいいな」と連携し、点検や計測分野での事業拡大を図る。
アミューズワンセルフは、2011年に設立されたドローン開発ベンチャー。ガソリンとバッテリーを併用するハイブリッドドローンの機体開発に加え、測量データの可視化や分析を行うソフトウエアを開発する。ドローン機体の製造から運用、データ解析まで手掛けるサービスを提供しており、インフラ設備の点検や災害現場での測量、海外での案件など多くの実績を持つ。
豊田通商は2021年、ドローン物流事業子会社「そらいいな」を設立。長崎県五島市を拠点に、離島への医薬品輸送など地域の物流課題を解決するドローン物流事業を展開する。今回の出資で「そらいいな」は、アミューズワンセルフの技術や知見を活用し、インフラ設備の点検・計測事業に本格参入する。送電鉄塔、ダム、再生可能エネルギー施設などを対象に、日本と海外市場に事業を広げる。
さらに、立ち入りが制限されるエリアでの防災・災害対応でのドローン活用も視野に入れている。豊田通商グループの再生可能エネルギー事業で保守・点検ニーズとシナジーを生み出しながら、ドローンを軸とした新たなサービス創出を目指す。豊田通商は今後、ドローン事業の知見とグローバルネットワークを活用し、「そらいいな」を総合的なドローン企業に成長させる考え。