シリウスジャパン、STOCKCREWが物流施設「Chiba Dock2」にAMR導入、110台が稼働

「Chiba Dock2」に導入されたシリウスのAMR「FlexSwift(フレックスシフト)」
「Chiba Dock2」に導入されたシリウスのAMR「FlexSwift(フレックスシフト)」

AMR(無人搬送車)開発のシリウスジャパン(東京・中央区)は6月6日、EC(電子商取引)物流サービスのSTOCKCREW(ストッククルー、東京・中央区)が、物流施設「Chiba Dock(チバドック)2」(千葉・八千代市)に、AMR「FlexSwift(フレックスシフト)」を導入し、2025年春から稼働を開始したと発表した。

「Chiba Dock2」は、急速に拡大するEC市場で中小規模事業者からの物流アウトソーシング需要の受け皿を目的にストッククルーが整備した物流拠点。ストッククルーでは、創業初期から、熟練作業者への依存を最小限に抑える標準化オペレーションの確立を目指し、「ロボットありき」の設計思想に基づいた事業運営を展開してきた。今回のAMR導入は、その構想を支える戦略の一環として位置づけている。

「FlexSwift」の導入では、単なる省人化ではなく、「人の能力をどのように拡張するか」という思想への強い共感が背景にあり、特にシステムの拡張性と柔軟な設計を高く評価し採用を決めた。

FlexSwiftは各ユニットが独立して稼働しながらも情報を共有し連携するAMR。拠点や倉庫の規模が拡大してもそのまま運用を継続できる。固定設備や大規模なネットワーク工事が不要であり、ポケットWi-Fiやスマートフォンのテザリングといった通信環境でも安定的に稼働する。

ストッククルーでは、すでに「Chiba Dock1」で「FlexSwift」を最大で110台導入し、具体的な効果も確認している。導入後にはピッキング作業者が60名体制から20名に削減され、作業の処理行数も1時間あたりで約50%向上した。

また、AMRを60台導入した30名体制では、従来の60名体制と比較して月間のオペレーションコストを20%以上削減した。作業者の平均歩数も1日あたり約2万歩から6500歩へと65%以上削減し、身体的負担の軽減にもつながっている。AMRの活用で、業務の標準化と効率化と人的資源への再投資が可能になり、従業員の定着率や習熟度も向上した。

シリウスジャパンでは、今回の導入を通じて、今後も物流事業者との連携を強化し、物流現場の課題を解決するAMRソリューションを提供していく方針。また、「FlexSwift」を、EC物流の標準インフラとしての地位確立を目指す。