
三井不動産は6月20日、アウトレットモール「三井アウトレットパーク木更津」(千葉・木更津市)で、自律走行型の自動配送ロボットを活用した施設内物流自動化の実証実験を開始すると発表した。
実証では、店舗と指定の集荷場所との間で梱包(こんぽう)資材や完成済みの商品を搬送する業務をロボットが担い、施設内の物資移動を自動化することで、業務負荷軽減と動線の最適化が図れるかを検証する。
米アヴライドが開発した自動配送ロボットを使用。ロボットは施設内の地図情報やセンサーによる障害物回避機能を備えており、実際の商業施設内での運用に合った仕様を施した。
三井不動産では施設内の物流作業の省力化と業務効率向上を目的に実施する。
具体的には、EC(電子商取引)注文の梱包資材を店舗に届けたり、スタッフが梱包した荷物を回収して配送業者の集荷拠点まで搬送したりする工程をロボットが代行。
店舗スタッフが広大な施設内の往復を不要にして、時間や体力の負担を大幅に削減する。配送業者も店舗を個別に巡回する必要がなくなるため、引き取り業務の効率化も見込む。
取り組みの背景には、2025年3月にオープンしたECサービス「三井アウトレットパークオンライン」がある。
サービスでは、約140店舗、6万点以上のアイテムを取り扱い、オンライン注文とリアル店舗の業務が密接に連携するため、従来以上に物流作業の負担が増加する。特に梱包資材の移動や配送品の引き渡しといった業務の効率化は、スタッフの業務環境改善で喫緊の課題とされていた。ロボットが代行することで、施設内の物流作業の省力化と業務効率向上につなげる。