
エアロセンス(東京・北区)は6月23日、法面保護、地盤改良事業などの東興ジオテック(東京・中央区)と、建設土木業界向けに法面吹付作業に対応した大型有線給電ドローンと、植生基材吹付工法「グリーンインパルス」を開発したと発表した。
開発した法面吹付用の大型ドローンと「グリーンインパルス」の施工システムは、大型ドローンでも、有線給電で長時間の施工が可能。システムは、材料供給ホースと給電ケーブルをドローンに接続し、ドローン操作システムを使って吹付を行う。
ドローン機体は6つのプロペラを持ち、ペイロードは約40kgで、ホースを装?(そうてん)した状態で最高約30m上空まで飛行できる。地上の電源装置とドローンは車載可能なため、山あいの場所でも現場運用が可能。地上からの吹付厚さのリアルタイム計測技術を備えており、吹付厚さの計測作業を地上から行える。

エアロセンスでは、新工法の導入で、作業員が足場の悪い現場で高所作業を行う必要がなくなるだけでなく、これまで重機やクレーンの搬入が困難だった山腹崩壊地などの施工現場でも、ドローンによる機動的な対応が可能になるとしている。また、従来は5人以上が必要だった吹付作業を、2人程度の少人数で対応できるようになるため、労働力不足が深刻化する建設現場で、大幅な省人化と効率化が図れるという。
今後は山腹崩壊地を始めとする、これまで機械施工が困難だった、現場の完全無人施工の実現を目指し、吹付厚さのリアルタイム計測技術の充実と機体の改良で完全自動航行(施工)技術を検討する。将来的にはドローン技術をモルタルの吹付施工などに活用していくことも視野に入れている。