東大発の米国物流ロボティクスベンチャーRENATUS ROBOTICS(レナトスロボティクス、デラウェア州)の子会社のRENATUS ROBOTICS(レナトスロボティクス)は8月3日、EC物流BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開するイー・ロジット(東京都千代田区)と業務提携したと発表した。
今回の業務提携を通じて、2社は2024年にイー・ロジットの物流センター(埼玉・草加市)に、自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」を1号案件として建設し稼働を始める。「RENATUS」の立ち上げ後は、イー・ロジットや、そのほかの荷主企業に対し有償サブスクリプション型で入出荷・保管サービスを提供する。
「RENATUS(レナトス)」は、倉庫内に建てられた高さ5~20mのラック内で、ラックに敷設されたレール上を専用シャトル「RENATUS SHUTTLE」が走行することでコンテナを効率的に作業者の元へと運ぶ自動倉庫システム。「GTP」は作業者の手元にアイテムが自動供給され、ピッキングする手法を採用する。
また、24年以降の「RENATUS」の多拠点展開に向けた共同での設備導入、研究開発、販売、保守運用、広報体制などの構築に向けた本格的な協業を開始する。
研究開発は、イー・ロジットの入出荷・保管の実データを活用し、高効率な配車アルゴリズムの実装を目指す。加えて、倉庫内オペレーションでリアルな現場課題を抽出し、顧客ニーズに沿った追加機能を開発する。
販売では、国内に多くの荷主企業の顧客基盤を持つイー・ロジットに国内市場での営業活動を委託。レナトスロボティクスは、国内事業の営業活動コストを抑えつつ、米国での倉庫開発と販売活動に集中する。保守については、2社の知見を集約させた盤石な保守と運用体制を構築し、中長期的な自動倉庫システムの安定稼働を実現させる。
2社は、埼玉草加にあるイー・ロジットの物流センターでシステムの稼働開始後、イー・ロジットの持つ全国の拠点に「RENATUS」の導入を拡大。最大数十億円の規模でイー・ロジットの物流コストの削減する。
その後、中長期的には、イー・ロジットが持つ物流ネットワークや倉庫オペレーション体制のリソースを最大限に生かし、国内の荷主企業に「RENATUS」の共同販売や、「RENATUS」の保守などの事業を拡大する。