
大阪けいさつ病院(大阪市)は7月22日、米インテュティブサージカルの最新手術支援ロボット「ダビンチ5」を使用した直腸がんの低位前方切除手術を実施したと発表した。
「ダビンチ5」は、従来モデル「ダビンチXi」の後継機種。専用鉗子(かんし)を使った「フォース(力覚)フィードバック機能」で、リアルな触覚を疑似的に再現し操作精度を向上させた。
また、150以上の設計の見直しで効率的なワークフローを実現し、術者の自律性が高め、手術時間の短縮とラーニングカーブの早期向上ができるようにした。加えて、AI(人工知能)を活用した手術データの解析で、術後の経過や治療方針の最適化が図れる。

大阪けいさつ病院では、7月19日に「ダビンチ5」を導入。22日の手術は、消化器外科の竹政伊知朗・院長補佐が中心となり実施した。

竹政院長補佐は、今回の手術について「直腸がん手術では、特に骨盤内の狭い空間で行うため非常に繊細な操作が求められるが、進化したロボットの高精度な動作で、神経や臓器へのダメージをより抑えた安全な手術が可能となった。また、当院が導入したデュアルコンソール(コントローラー2台での操作)では、さらに術者と助手の連携が強化され、AI解析機能の搭載などで、次世代の外科医育成にも貢献できると思う」と話している。