
大阪けいさつ病院(大阪市)は8月14日、米インテュイティブサージカルの最新手術支援ロボット「ダビンチ5」を使用した、ロボット支援幽門切除ビルロートI法再建術の胃がん手術を実施したと発表した。
「ダビンチ5」は、従来機「ダビンチXi」から大幅に進化した第5世代目の機種。専用鉗子(かんし)でリアルな触覚を実現する「フォースフィードバック機能」で、臓器に過剰な負荷をかけることなく、より精密な操作ができる。
また、AI(人工知能)の手術データ解析機能によって、術後の経過観察や治療方針の最適化が可能。150以上の設計を見直したワークフローを導入しており、手術時間の短縮とラーニングカーブの早期向上が見込める。

胃がん手術は、医師の大森健・消化器外科主任部長が執刀し、7月23日に実施した。大森主任部長は「胃がんのロボット支援幽門切除・再建手術は、胃の一部を切除した後に消化管をつなぎ直す方法で、深い場所で細かい縫合を行う必要があるため、とても高度な技術が求められる『ダビンチ5』は従来機を上回る約1万倍の処理速度と、触覚を得られる機能を兼ね備えており、臓器に余分な力をかけず、安全で精密な手術が可能になった」と、感想を述べている。