東京メトロ、銀座線外苑前駅で警備ロボット「SQ-2」の実証試験

自律移動型警備ロボット「SQ-2」(左)と、実証場所の東京メトロ銀座線外苑前駅コンコース
自律移動型警備ロボット「SQ-2」(左)と、実証場所の東京メトロ銀座線外苑前駅コンコース

東京地下鉄(東京メトロ)は9月5日、自律移動型ロボット開発のSEQSENSE(シークセンス、東京・中央区)、工業用ゴム・プラスチック販売などのニシヤマ(東京都大田区)と、自律移動型警備ロボット「SQ-2」の有効性を検証する実証試験を、東京メトロ銀座線の外苑前駅のコンコースで実施すると発表した。

「SQ-2」は、3次元センサー技術や自己位置推定アルゴリズム、リアルタイム経路計画アルゴリズムを使って自律移動が可能な警備ロボット。独自の高性能センサー「3DLiDAR(ライダー)」を搭載しており、対象エリアの詳細な3次元マッピング、歩行者などの動体検知、環境の変化検出が可能。人や障害物を認識して自動で回避し、安全対策音や足元ライトによる注意喚起など、安全面に配慮した機能も備える。

実証試験では、外苑前駅構内の各改札口に「SQ-2」を1台ずつ配置し、立哨や巡回などの警備を行う。期間は9月8日から23日まで。始発から終電までの時間帯で実施する。試験期間中に国立競技場で開催される「東京2025世界陸上競技選手権大会」に伴い、多くの来場者が利用する同駅に警備ロボットを設置することで警備強化と乗客へのスムーズな案内の有効性を検証する。

東京メトロは、労働人口減少による人材不足の進行を見据え、警備ロボットの導入で警備体制強化と案内効率化を図る。音声アナウンスによる犯罪抑止や、人目の届きにくい場所でのセキュリティー向上、音声や電光掲示板による効果的な情報提供など、「見せる警備」を通じた効果も見込む。

今後は、今回の実証で得た知見を基に、ロボットを活用した駅構内の警備の高度化と効率化を進める。同時に、持続可能な警備体制の確立も検討する。