
成田国際空港(NAA)は10月9日、野村総合研究所(NRI)と共同で、ロボット土産無人販売システム「Pickru Store(ピックルストア)」の実証実験を開始すると発表した。成田空港第3ターミナル国内線エリアに設置し、10月10日から12月15日まで実施する。
「ピックルストア」は、NRIが開発した常設店舗型の無人販売システム。ロボットは市販パーツと独自の制御システムを組み合わせて制作した。店舗前のタッチパネル型の注文画面で利用者が商品を選び決済すると、移動するロボットが指定棚から商品を取り上げ、受け渡しボックスへ届ける。
今回の実証は、空港での人手不足の対応と業務効率化の推進を目的に、ニーズの高い菓子類を販売し、出発ゲート付近での購買利便性を検証する。実証店舗は、第3ターミナルサテライト2階の保安検査後(国内線)エリア173番ゲート付近に設置する。営業時間は10時から18時。支払いはクレジットカードやQRコードによるキャッシュレス決済に対応する。
NRIは、実証で人手不足と解決策とみるロボットのロボットシステム開発やサービス提供時の実践的なノウハウを蓄積する。一方、NAAは、他社との共創によるイノベーションを通じて空港の運営効率を高めるとともに、搭乗直前でも手軽にお土産を購入できる環境を整備することで、旅客満足度の向上を図る。今後は実証で空港の無人販売の運用性や課題を検証し、将来の本格導入につなげる考え。