プリファードロボティクス、狭小通路も走行可能な幅260mmのクリニック向け自律搬送ロボ

幅260mmの自律搬送ロボット「カチャカスリム」
幅260mmの自律搬送ロボット「カチャカスリム」

プリファードロボティクス(東京・千代田区)は11月13日、自律搬送ロボット「カチャカ」の新機種「カチャカスリム」の提供を開始したと発表した。幅260mmの超細型モデルで、従来モデルでは通行が難しかった狭い通路でも安定した自律走行ができる。通路幅が限られるクリニックで物品搬送の利用を見込む。

「カチャカスリム」は、ロボットが専用家具の下に潜り込んでけん引する従来モデルの方式から、ロボット本体が家具を直接搭載する方式へ変更。専用家具の脚部による通路幅の制約がなくなり、本体幅が260mmというスリムなボディーが可能になり、狭小空間でも搬送業務の自動化が可能になった。

設定や運用にはプログラミングなどの専門知識を必要とせず、利用者が簡単に導入できるノーコード仕様を採用。操作もボタン1つで行える。また、タスクの合間にロボットが自動で充電器へ戻るなどの自律性も備えた。サイズは幅:260mm×奥行き:420×高さ:760mmで、最大15kgの物品を搭載して搬送が可能。

プリファードロボティクスによると、医療・介護現場でDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む一方で、治療器具や書類、検体などの物品移動は現場スタッフが行い大きな負荷になっているという。

同社は、その解決で自律搬送ロボットの提供を行ってきたが特に都市部のクリニックは通路幅の制約が厳しく、ロボットの導入が難しいため、狭い環境でも稼働できるロボットの要望が増加していた。そこで、そうしたニーズをくみ取り「カチャカスリム」を開発した。

今後は、クリニックなどの医療現場に限らず、オフィスや研究施設、店舗のバックヤードなど、狭小空間での物品搬送が求められる現場に展開していく考え。また、複数台のロボットを統合管理できる「カチャカフリートマネージャー」と連携した業務効率化ソリューションにも取り組む。