テムザック、中山間地域の稲作省力化で「収穫ロボット」「多用途ロボット」開発

テムザックが開発したロボットのラインアップ
テムザックが開発したロボットのラインアップ

テムザック(京都市)は11月18日、中山間地域の稲作の省力化ロボットで「収穫ロボット(RMD-0)」と「多用途ロボット(MU-0)」を開発したと発表した。

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収穫ロボット「RMD-0」

収穫ロボット「RMD-0」は、小型で電動式の非搭乗型で軽トラックに積載できるコンパクト設計が特長。開始指示のみで収穫作業を自動化できるため、農業未経験者でも扱いやすいという。

全国的に注目される「再生二期作」に対応する構造を採用しており、1回目の収穫後に再度の田植え・播種を行わずに、刈り取り後の圃場を管理して2度目の収穫を行う。特に、2回目の収量向上に効果があるとされる高刈りや、生育状態のまま行う立毛脱穀に対応することで、省力化と生産性向上の両立を図った。

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多用途ロボット「MU-0」

一方、多用途ロボット「MU-0」は、圃場の四隅に張ったワイヤーが伸縮し、交点部に搭載した装置を圃場内の必要な位置に移動させる独自の「浮遊式移動システム」を採用。地表面に接触しないため、夜間稼働時の騒音や風の発生を抑え、ドローンが不得意とする環境でも安定運用できるとしている。

また、収穫ロボットが追尾するためのマーカー装置を移動させる機能に加え、害獣追払い装置を搭載する。今後は、生育状況のセンシングや遠隔モニタリングなどの装置の搭載も予定する。

テムザックは総務省の2025年度の「地域社会DX推進パッケージ事業」などを通じて省力化稲作支援サービスの実証実験にも取り組んでおり、今回のロボットも、その実証で運用する。

今後は、ロボット2機種の機能のブラッシュアップと高度化を図り、中山間地域の稲作を省力化するロボットのサービスモデルの確立と、次年度以降の本格事業化を目指す。