ドローンによる農作業自動化支援のAutoCover(オートカバー、名古屋市)は12月9日、茶園の被覆作業をドローンで自動化する技術が、農林水産省の「スマート農業技術活用促進法」に基づく開発供給実施計画の認定を受けたと発表した。茶園被覆作業の自動化技術の認定は国内で初という。
高級茶の生産現場では、黒い遮光資材で茶園全体を覆う被覆作業が大きな負担となっている。急傾斜地で作業する危険性やピンチ固定式被覆資材を使っての手作業、繁忙期の人手不足などが課題となっていた。
オートカバーでは産業用ドローンとデジタルツイン技術を組み合わせ、こうした課題を解消する仕組みを開発。高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を搭載したドローンで茶園を計測し、地形を3Dデータとしてデジタル空間に再現。最適な飛行ルートを自動生成することで、傾斜地でも安全な作業を可能にした。
また、物流ドローンに独自アタッチメントを装着し、遮光資材の展開と巻き取りを空中から自動で行える仕組みを整えた。労働時間を約80%削減し、作業を数日から数時間に短縮できるとしている。
「スマート農業技術活用促進法における認定」は、国が農業に特に必要な技術として認め、開発・普及を後押しする制度。オートカバーは、茶園の被覆資材の被覆と除去をドローンで自動化する技術とサービスを行う事業者で認定された。
同社は2026年上半期に愛知県と京都府で実際の被覆作業を想定した現場実証を実施。2027年以降に、京都、静岡、三重、鹿児島など、茶主要産地での実証とサービス提供を進める。また、ほかの作物への応用や収穫物搬送、収穫物の搬送、圃場管理・測量・データ活用といった領域拡大も視野に入れている。








