関西フローズン、マイナス25度の冷凍倉庫の作業効率化と安全性改善でAGV導入

関西フローズンがマイナス25度の冷凍倉庫に導入したAGV
関西フローズンがマイナス25度の冷凍倉庫に導入したAGV

江崎グリコ完全子会社の関西フローズン(京都・八幡市)は12月16日、広島支店(広島市)の新築移転に合わせ、マイナス25度の冷凍倉庫に対応したAGV(無人搬送車)を導入したと発表した。冷凍環境下での重量台車搬送を自動化し、作業効率向上と社員の負荷軽減、安全性向上を図る。

導入したAGVは、愛知機械テクノシステムと江崎グリコSCM本部技術開発部、関西フローズンが共同で開発した。マイナス25度の環境下でも安定稼働を可能にするため、バッテリー性能の維持や結露・凍結によるセンサー誤作動を防ぐ設計を施した。WES(倉庫実行システム)と連携が可能で、搬送と荷役作業を自動で連動し、冷凍庫内の作業を効率よく安全に進める。

関西フローズンは今回、AGV6台を導入。これまで人力で行っていた重量台車の搬送を自動化し、年間で約4900時間の作業時間削減を見込む。社員の腰痛や凍傷リスクの低減に加え、トラックの荷待ち時間短縮や出荷ミス削減にもつながるという。

物流業界では人手不足や高齢化が進むなか、冷凍倉庫内での作業は特に過酷で、安全確保と効率化が課題となっている。同社はAGVの活用で、従来の人手中心の作業から脱却する。今後は、導入効果を検証しながら、全国のグリコグループの物流拠点にも順次展開する。