ミサワホーム、電通大・大末建設と床下点検ヘビ型ロボット開発、実用化

ミサワホーム、電通大、大末建設が共同開発した床下点検用ヘビ型ロボット「ユカダイショウ」
ミサワホーム、電通大、大末建設が共同開発した床下点検用ヘビ型ロボット「ユカダイショウ」

ミサワホーム(東京・新宿区)は12月16日、電気通信大学、大末建設と共同開発した床下点検用ヘビ型ロボット「ユカダイショウ」が実用化段階に移行したと発表した。

「ユカダイショウ」は、田中基康・電気通信大学教授が開発したヘビ型ロボット技術を基盤に、大末建設とミサワホームの建設・住宅分野の知見を融合し開発した。

従来は地下ピット向けに運用されていた二次元巡回と三次元障害物乗り越え機能を併せ持つ自律走行アルゴリズムを、戸建て住宅の床下に対応するため遠隔操縦型へ転換し、小型・軽量化を実現した。

本体は、高さが150ミリの薄型設計で、多連結構造を採用した高い走破性を備えており、配管下などの狭い空間でも稼働が可能。半自動で障害物を乗り越える機能や、カメラとセンサーを活用した自己位置推定機能を搭載し、点検作業員1人でも安全に操作できる。

ミサワホームなどによると、住宅の維持管理現場では、狭く複雑な床下空間での点検作業が大きな負担となっている。特に、長時間のうつぶせ姿勢での作業や、配管が複雑に交差する環境では、安全面でのリスクがあるという。こうした課題を背景に、同社は安全で効率的に点検できるロボット技術の活用を進めてきた。

開発したロボットは、床下に人が潜り込む必要を大幅に減らし、点検品質の安定化と作業効率の向上に役立つ。今後は、戸建て住宅に加え、賃貸住宅やリフォーム時の点検、災害時の調査などへの活用も視野に入れている。