セイノーHDなど6社、軽井沢で渋滞・防災などの課題解でドローン物流の実証実験

セイノーホールディングス（HD）は12月18日、アルピコホールディングス（HD）（長野・松本市）、デリシア（同）、ココネット（東京・中央区）、エアロネクスト（東京・渋谷区）、ネクストデリバリー（山梨・小菅村）と、物流ドローンを活用した実証実験を長野県軽井沢町で12月16日に実施したと発表した。実証を通じて、軽井沢町の観光シーズンに深刻化する交通渋滞への対応や、少子高齢化に伴う買い物困難、防災力の強化といった地域課題の解決につなげる。

実証では、セイノーHDとエアロネクストが共同で展開するドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub（スカイハブ）」を活用。町内の老人福祉施設やキャンプ場への配送を想定し、デリシアの軽井沢店を物流拠点に物流専用ドローンが食料品を配送した。

機体はACSLの長距離飛行マルチユースドローン「PF4」を使用。配送ルートは、デリシア軽井沢店から軽井沢町老人福祉センターとライジングフィールド軽井沢を設定した。

軽井沢町では、観光客の増加に伴う慢性的な交通渋滞や、高齢化による買い物弱者への対応が課題となっている。町ではドローン物流を活用することで、買い物に伴う自動車移動の削減やラストワンマイル配送の効率化につなげる。また、地域スーパーを防災拠点で活用することで、災害時に支援物資を迅速に届ける体制構築も視野に入れている。

セイノーHDなどでは、今回の実証を通じ、日常時は生活利便性向上、有事には緊急物流インフラとして機能するフェーズフリー型物流基盤の実装可能性も確認した。今後は、ネットスーパーで受け付けた商品を空路で配送する仕組みに発展し、地域物流の効率化と防災力強化を両立するモデルの社会実装を目指す。