東芝、カザフスタン郵便とAMR活用した倉庫業務効率化で意向書を締結

(左から)カザフスタンのジャナソワ・アセル・アフバニシェブナ・首席大統領補佐官、アザマト・ケスキンバエフ・カザフスタン郵便最高財務責任者(CFO)、辻巌・東芝常務執行役員、上野文誠・総務省情報流通行政局郵政行政部郵便課国際企画室長。
(左から)カザフスタンのジャナソワ・アセル・アフバニシェブナ・首席大統領補佐官、アザマト・ケスキンバエフ・カザフスタン郵便最高財務責任者(CFO)、辻巌・東芝常務執行役員、上野文誠・総務省情報流通行政局郵政行政部郵便課国際企画室長。

東芝は12月19日、カザフスタン共和国の郵便事業体のカザフスタン郵便(Qazpost JSC、アスタナ市)と、AMR(自律移動ロボット)を活用した倉庫業務効率化の意向書を締結したと発表した。

世界最大の内陸国のカザフスタンは、アジアと欧州を結ぶ物流ルートの要衝に位置し、近年はEC(電子商取引)の急拡大に伴い、郵便・物流分野で倉庫業務の効率化が課題となっている。カザフスタン郵便は、EC事業者向けの配送委託業務の拡大を見据え、自動化技術の導入を検討してきた。

東芝は2025年4月、カザフスタン郵便と共同で、棚ごと商品を搬送するAMRを使用した「Goods to Person(G2P)」方式の実証実験を、同社の大型物流拠点「アスタナ・フルフィルメントセンター」で実施。作業者が倉庫内を移動する従来方式に比べ、AMRが商品棚を作業者のもとに自動搬送することで、作業負担やピッキングミスの低減につながることを確認した。

今回の意向書は、この実証成果を踏まえ、AMRを活用したG2Pシステムの本格導入に向け、顧客情報の収集やモデル構築、顧客施設でのトライアル提案などを進めることを目的に結んだ。東芝は、2026年度上期中の導入を目指す。

東芝は2025年3月も、アゼルバイジャンで郵便物の仕分け効率化に向けた実証実験を実施しており、郵便・物流分野で培った知見を生かし、運用ノウハウを含めた総合物流ソリューションを展開する考え。