富士通、フィジカルAIとAIエージェント連携技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」開発

富士通、フィジカルAIとAIエージェント連携技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」開発

富士通は12月24日、ロボットを自律的に制御するフィジカルAIとAIエージェントを連携する技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI(フジツウ・コヅチ・フィジカルエーアイ)1.0」を開発したと発表した。10月3日に発表した米エヌビディアとの協業で最初の成果として、エヌビディアのソフトウエアスタックと富士通の技術を統合した。

同社は、技術のコア機能で、機密性の高い業務ワークフローを安全に自動化できるマルチAIエージェントフレームワークのトライアル環境の提供を開始する。ビジュアルな設計インターフェースで業務ワークフローを構築でき、AIプラットホーム「Fujitsu Kozuchi」のNIM対応コア技術や、大規模言語モデル(LLM)「Takane(タカネ)」を自動で組み合わせることで、保守性の高いワークフローを短期間で構築できるという。

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マルチAIエージェントによる調達業務ワークフローの構築イメージ

第一弾で、購買部門の調達業務の自動化・効率化を支援する特化型AIエージェントを搭載した。帳票理解、購買規約解析、適合チェックにそれぞれ特化した3種類のAIエージェントを組み合わせ、見積もり依頼などの社内規約適合チェックを自動化する。適合チェック後の見積もり依頼は、セキュアエージェントゲートウェイを介して機密情報の有無を確認したうえで社外へ送信する。

同社の購買部門での実証実験では、3種類の特化型AIエージェントを活用し、発注確認業務の工数を約50%削減した。さらにNIM対応により推論速度が50%向上する見込みで、1日あたり数百件になる規約適合チェック業務の高速化につなげる。

富士通は今後、2025年度中に、顧客環境でAIが自律的に学習・進化するAIエージェント技術に発展させる。加えて、フィジカルAI領域に順次拡張し、AIエージェントとロボットのが連携し、現場業務を理解した複数ロボットが高度に協調する仕組みも構築する。