
Kudan(クダン)は9月19日、竹中工務店、ジザイエ、アスラテック、燈、センシンロボティクス、建設ロボティクスのソフトウエア開発基盤の研究開発に着手したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の開発事業で採択された取り組みとなる。
今回の研究開発では、搬送や耐火被覆吹付、測量、清掃など建設現場で稼働する多様なロボットが共通の機能モジュールを組み合わせて活用できるオープン開発プラットホームを構築する。ロボットメーカーやシステムインテグレーターが自由にモジュールを追加や拡張できるようなり、建設業界の熟練技能者不足の解消とロボット活用の促進につなげる。
背景には、建設業界全体で深刻化する技能者不足や高齢化がある。現状ではベンダーが独自にロボットを開発するため互換性がなく、開発コストの増大が課題となっている。6社はその課題解決にオープンな開発共通基盤の構築が急務として、NEDOの事業で研究開発を行うことにした。
研究開発は6社が役割を分担し進める。クダンは、変化する建設現場でロボットが正確に位置を把握して自動で移動できる技術や、複数のロボットが互いに連携して効率的に作業を行うためのシステムを開発する。竹中工務店は機械部分からソフトまでを包含する全体アーキテクチャの設計、異なるメーカーのロボットでも共通して利用できる仕組みを構築する。
ジザイエは、さまざまな作業に対応可能な共通移動ユニットや、センサーや制御装置を容易に取り付け・交換できる標準化構造を開発する。アスラテックは、5GやWi-Fi、メッシュ通信などを組み合わせて安定した通信環境を構築し、現場の環境変化に柔軟に対応する通信基盤を整備する。
燈は、建設現場をコンピューター上に精密に再現してロボットの動作を事前検証するシミュレーション技術を開発し、設計図(BIM/CIM)との連携させる。センシンロボティクスは、複数ロボットを一元的に監視と制御できる管理システムを開発し、異なるメーカーのロボットでも共通のインターフェースで操作できるようにする。
6社は研究開発で、ロボットのシステム開発や運用コスト削減の実現を目指す。さらに、NEDOの「デジタル・ロボットシステム技術基盤構築事業」と連携し、複数のロボットシステムで実証実験を行い、実用性を検証する。将来的には、建設業界で確立した開発プラットホームをほかの産業にも展開し、日本のロボティクス産業の国際競争力強化につなげる。