オリエンタル白石、4足歩行ロボットの建設現場活用でつり足場での安定歩行試験に成功

稼働試験で4足歩行ロボット「Go2」がつりチェーンの間を通る様子
稼働試験で4足歩行ロボット「Go2」がつりチェーンの間を通る様子

オリエンタル白石は11月4日、建設現場や工場での生産性向上に向けたロボット適用性の評価で、四足歩行ロボットのつり足場上での稼働試験を実施し、安定した自律歩行に成功したと発表した。

今回の試験は、中国ロボットメーカーのUnitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)の4足歩行ロボット「Go2」に、オリエンタル白石が独自プログラムを実装した機体を使用し、障害物や段差の多いつり足場上で、四足歩行ロボットが自律的に巡回できるかを検証した。

試験では、障害物の認識と回避、悪路での安定歩行を検証した。その結果、ロボットが、細いつりチェーンなど、センサーの「LiDAR(ライダー)」では検知しにくい障害物を正確に認識し、接触することなく自律歩行に成功した。

また、細かな段差が多数存在する床面でも安定した歩行が行え、障害物や段差が多く、見通しの悪いつり足場上でも安定性が確保できることを確認した。

橋梁(きょうりょう)や高速道路の工事現場では、高所で広範囲のつり足場が多用され、天井の低さやチェーンの存在により見通しが悪く、作業員の安全確認には巡回が不可欠となっている。

また、定点カメラでは作業員の体調変化など全てを把握しきれないため、巡視業務の自動化が求められていた。オリエンタル白石では、こうした課題解決で、ロボットを使った巡回と監視の自動化を検討。今回、稼働と安全性の評価を行った。

同社では今後、試験の結果を基に、自動巡回機能や、作業員の体調管理や、夏場の熱中症対策として体調不良者を検知する機能の実装に取り組むとしている。