ドローンやエアモビリティ分野のスタートアップ投資に特化したベンチャーキャピタルのDRONE FUND(ドローン・ファンド、東京・渋谷区)は10月25日、計算科学などの研究を行うRICOS(リコス、東京・千代田区)に、DRONE FUND 3号投資事業有限責任組合(3号ファンド)から出資を行ったと発表した。
リコスは製品設計のCAE(コンピュータを使った工学支援システム)解析ソフトウエアを開発するスタートアップ。ソフトは、AI(人工知能)を活用した独自の特許技術で流体のシミュレーションを従来の手法よりも高速化が可能で、自動車産業を中心にドローンやエアモビリティ分野で利用できるという。
ドローン・ファンドによると、従来のCAE解析は、専門性が高く、計算量が多いため、解析に多くの時間がかかっており、限られた時間の中で多くの設計を試すことができないことが課題だったという。一方、リコスの開発したソフトはAIを活用し、複雑な3D形状を扱え、高速なシミュレーションが可能で、多くのシミュレーションを行うことができる。
同社では、日本国内で無人航空機の「レベル4」飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)が解禁され、様々な形で利活用の事例が広がり、今後、ドローンの飛行の長時間化や、飛行回数の増加が見込まれ、飛行の安定性や効率化が求められるとみている。こうした中、ドローンやエアモビリティ産業がリコスが持つCAE解析ソフトを活用することで、安定飛行や電費向上が図られることを期待し、今回の投資に至ったとしている。