ACSLは7月13日、米国子会社のACSL,Inc.がGeneral Pacific(ゼネラルパシフィック、GenPac)と、米国市場でのACSL製品の販売、サポート、修理、サービス支援を行う戦略的販売代理店パートナーシップの覚書(MOU)を、7月12日に締結したと発表した。
今回のMOU締結を受け、ACSLでは米国市場での販売を本格化。今期は米国市場で、まず小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」の50機体の販売を目指す。米国市場への進出では、現地の展示会で、インフラ企業などから「SOTEN」が、点検・測量などで活用できる高い評価を得る一方、複数の顧客先でのロードショーでは、業務実装が可能という評価とともに、購入希望を確認しているという。
GenPacは、米国市場で無人航空機とロボティクス分野を扱うディストリビューター。ドローンやロボットのハードだけではなく、関連するソフトや様々な専門家レベルのトレーニングを提供している。同社は、2022年9月6日~8日に開催された「COMMERCIAL UAV EXPO」で、ACSLが出展した「SOTEN(蒼天)」に関心を寄せ、これまでデモンストレーションなどを実施してきた。こうした経緯をから、ACSLではMOUを結ぶことにした。
ACSLによると、世界のドローン市場は急速に成長しており、2030年には5兆円規模の市場が台頭する見通し。それに伴い、経済安全保障や環境配慮に関する政策も加速しており、米国では「National Defense Authorization Act(NDAA)」が施行され、ロシア製や中国製のドローンの政府調達が禁止。中国のドローンメーカーのDJIは、2022年10月から米国国防総省の「中国軍事関連企業」に指定されたという。
こうした市場環境の中で、同社は、自社のドローンが経済安全保障、企業向け対応と用途特化型をキーワードにするポジショニングが可能で、今後の米国市場での販売拡大が見込めるとしている。