
テラドローンは4月10日、子会社のテラドローン・インドネシアが、インドネシアの総合アグリビジネス会社が所有する同国最大級のパーム農園にドローン監視システムを導入したと発表した。
システムは、上空からパーム農園全体を監視できる「TS-M120ドローン」を採用。「TS-M120ドローン」は、1回の飛行(60分)で最大3000ヘクタール(東京ドーム約640個分)の監視ができる。地上管制ステーション(GCS)から最大約10kmを離れていても、飛行位置や速度などの飛行データをリアルタイムで送信が可能で、搭載する高解像度カメラと人感センサーで、薄暗い環境や草木が生い茂った場所でも安定して監視を行える。

テラドローンでは、パーム農園にドローン本体、パイロット、監視レポートを提供。テラドローンのパイロットは、パーム農園の管理部門と連携しており、ドローン巡回中に異常を探知した場合には、すぐに農園のセキュリティー部門へ報告する。
そのため、不法侵入や果実の盗難など潜在的なリスクの早期発見と対処が可能になり、農園全体の安全性を強化できるという。また、この体制を導入したことで、大規模農園の外縁部の警備体制が大幅に向上したとしている。
インドネシアでは、広大なパーム農園全体を人的にパトロールするには、多くの人員が必要で、特にパーム農園の外縁部は農園の中心部から離れており、アクセスが困難で、森林や密集した植生に隣接し見通しが悪いことから、人的なパトロールには限界があり、警備が手薄になっている。
その結果、不審者の侵入経路となりやすく、パーム農園への不法侵入やパーム油の原料になる、果実の房の盗難などが発生し、パーム農園の生産性低下を引き起こすことが課題となっていた。
テラドローンは、こうした課題解決に向け、パーム農園を運営する総合アグリビジネス会社と組み、監視機能を備えた「TS-M120ドローン」を提供することにした。
同社では、「TS-M120ドローン」が不審な動きをリアルタイムで監視が可能なため、安全性リスクの軽減が見込めるほか、パイロットが地上管制ステーション(GCS)で、ドローンの運航を監視できることから、遠隔地に人員を配置することなく、リアルタイムで状況の把握が可能となるという。今後は、セキュリティー強化に加え、パーム農園全体の管理効率化にも取り組む。