古河電工、島根・美郷町で特殊大型ドローン活用した林業省力化の実証実験

特殊大型ドローンを使った運搬の様子
特殊大型ドローンを使った運搬の様子

古河電気工業は4月16日、グループ会社の古河産業(東京・港区)と、島根県美郷町の実証事業「林業イノベーション実証事業」で、特殊大型ドローンを活用した苗木や資材を急傾斜地などに運搬する実証実験と、町内に拠点を構える企業が対象の操縦オペレーターの育成支援を3月に完了したと発表した。

古河電工は美郷町と、2020年11月に包括的連携協定を締結しており、実証事業はその一環。2022年度から開始した。

実証実験では、2022年の苗木運搬と2023年の救援物資の長距離運搬を実施。2025年3月には古河産業が提供する最大積載重量49kgの特殊大型ドローンを使って、苗木(普通苗とコンテナ苗)を急傾斜地、遮断地域、未舗装地域などに運搬した。

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3月の実証実験で使用した特殊大型ドローン

3月の実験では、苗木の運搬に適した機体のカスタマイズのほか、梱包仕様、運搬手法を決めることで、1回あたりで約1000本の普通苗の運搬に成功した。従来の人力による約10往復分の運搬量に相当するという。また、ドローンの活用が林業従事者の労働負荷軽減と安全性、生産性向上を図れることを確認した。

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操縦オペレータ育成支援の様子

一方、操縦オペレーターの育成支援は、町内に拠点を構える企業の社員6名を対象に行い、美郷町内での長期的な実用化に向けた運用体制を構築した。育成支援は、実証実験と並行して行った。

古河電工は今後、実証実験の成果を踏まえ、林業の省力化と生産性向上に取り組みを進めるほか、林業以外の重量物運搬や災害時の救援物資運搬などにもドローンを活用することで、美郷町の持続的発展を支援していくとしている。