エアロセンス、防水や収納性能など強化の新型VTOLドローン「AS-VT02K」受注開始

VTOL型ドローン「エアロボウイング(AS-VT02K)」
VTOL型ドローン「エアロボウイング(AS-VT02K)」

エアロセンス(東京・北区)は6月18日、VTOL(垂直離着陸機)ドローン「エアロボウイング」の新モデル「AS-VT02K」の受注を開始したと発表した。新モデルは、IP43相当の防じん・防滴性能や収納と運搬性の向上、通信規格の拡張といった改良を加え、従来機と比べ運用性と安全性を大幅に向上させた。

「AS-VT02K」は、「エアロボウイング」シリーズの最新機種。新機種では国内での豊富な導入実績を基に、現場ニーズに応じた機能改良を実施した。具体的には、IP43準拠の防じん・防滴仕様を採用。これまで飛行が難しかった雨天時での運用を可能にした。

また、ペイロードカメラの共通ハッチ化し、静止画や動画、赤外線撮影といった多様な観測目的に対応した。通信では、従来の2.4GHz帯とLTEに加え、国交省が整備する通信インフラ「Smart River Spot(SRS)」にもオプションで対応する。

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機体ケースを2つに分けたコンパクト・軽量化で軽ワゴン車でも運搬が可能

機体は2つのケースに分けて収納することで軽量とコンパクト化が図られており、軽ワゴン車などでも持ち運びが可能。組み立てには工具を必要とせず、現場での展開時間を短縮できる。

さらに、飛行前の動作点検を自動化し、飛行中のフェールセーフ機能も強化。無線切断時やGPS(全地球測位システム)異常時などの自動帰還や自動着陸に対応することで、操縦者の負担軽減と安全性向上を図った。

今後は国土交通省の「第二種型式認証」の取得を計画しており、認証取得後は「レベル3.5飛行」(補助者・看板不要の目視外飛行)での運用を見込む。

エアロセンスでは、「AS-VT02K」に加え、ペイロード(可搬重量)が10kg搭載時に最長120kmの飛行が可能な大型機「AS-H1」の展開も進めており、長距離や広域飛行を軸としたドローン市場の需要に応えていく方針。