テラ・ラボ、無人航空機「テラドルフィンVTOL」が飛行試験100時間を完遂、量産化へ

長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」
長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」

テラ・ラボ(愛知・春日井市)は9月19日、長距離無人航空機「テラ・ドルフィンVTOL」が累計100時間の飛行試験を完了したと発表した。今後、防災や安全保障分野での社会実装を加速するとともに、量産化と国際展開を進める。

「テラドルフィンVTOL」は、複合材整形技術による軽量・高強度の機体を採用し、滑走路を必要としない垂直離着陸性能で都市部や被災地からの即時に運用が可能。航続距離は1000kmを目標にしており、広域災害調査や洋上監視など従来機では困難だった任務に対応できる。多目的プラットホーム(MPP)設計で制御、通信、観測装置を自由に組み合わせて任務に応じたカスタマイズが可能。防災や安全保障だけでなく物流や環境調査にも活用が見込む。

同機は、安定した運航性能と信頼性の確認を目的に国外でグローバルチームによる飛行試験を2024年12月から開始。日本で長距離目視外飛行や150m以上の飛行を実現するために必要な100時間の飛行実績を達成した。耐久性と信頼性(D&R)も実証され、技術成熟度レベル(TRL)は7に到達した。

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2021年に整備した量産化拠点「テララボ福島」

テラ・ラボは今後、福島県南相馬市の「テララボ福島」を拠点に量産体制を構築する。部品メーカーとの協力を強化し、安定供給と品質向上を図る。防災・安全保障分野では南海トラフ地震を想定した津波被害調査や洋上監視に加え、政府の安全保障能力強化支援(OSA)を通じた国際的な活用も進める。