ドローンスポーツ、狭所点検用ドローンと地下通信中継システムで下水道点検の実証実験

「Rangle micro」が実証実験で撮影した下水道
「Rangle micro」が実証実験で撮影した下水道

国産ドローン開発のDRONE SPORTS(ドローンスポーツ、大阪・箕面市)は9月22日、狭所点検用国産ドローン「Rangle micro(ラングル・マイクロ)」シリーズ」と地下通信中継システム「Rangle(ラングル)エクステンダー」を活用した下水道点検の実証実験を実施し、精度や飛行距離の向上を確認したと発表した。

「Rangle micro」は狭小空間に特化した小型ドローンで、安定した飛行が可能。通信中継装置「Rangleエクステンダー」と組み合わせることで、長距離の管路や電波が届きにくい地下環境でも確実な操作ができる。

今回の実験では、作業員が地上からの遠隔操作のみで、直径1.5m~3mの円形コンクリート管、地下チャンバー、直線トンネル、複雑な管路接続部などを対象に「Rangle micro」で点検を実施した。

ドローンは高精度な画像取得機能を活用し、コンクリート壁面の変色、腐食の進行状況、構造材の劣化など、点検業務に必要な詳細情報を効率的に収集。壁面のひび割れや腐食、漏水跡の確認、堆積物や閉塞(へいそく)状況の把握、高所部分の点検などを高精度で行えることを確認した。また、作業員が地下に入る必要がなくなり、有毒ガスや酸欠環境での危険作業を回避し、安全性の大幅な向上を確かめた。

ドローンスポーツでは、現段階で、「Rangle micro」が全ての下水道構造に対応しているわけではないが、今回の実証成果から下水道インフラの維持管理で重要な役割を果たせることが実証できたとしている。

今後は全国の自治体や下水道管理事業者と連携し、ドローンを活用した下水道点検の普及拡大を図る。また、AI(人工知能)画像解析と連携した自動診断システムの開発など、技術の高度化を進めていく。