日清製粉、倉敷市にIoT・AI・ロボット活用のスマートファクトリー「水島工場」新設

水島工場(岡山・倉敷市)
水島工場(岡山・倉敷市)

日清製粉は5月26日、岡山県倉敷市の臨海部に建設を進めていた業務用小麦粉の新工場「水島工場」が完成し、稼働を開始したと発表した。最新のIoT、AI(人工知能)、ロボット技術を導入したスマートファクトリーで、同社が創業以来培ってきた製粉技術と融合させた先進工場になる。

水島工場は、食料の安定供給拠点として期待される国際バルク戦略港湾「水島港」の瀬戸埠頭(ふとう)に隣接。大型船の接岸で原料小麦の効率的な調達が可能となるほか、近隣の高速道路網を活用することで製品のスピーディーな出荷にもつなげる。立地の優位性を生かし、中四国地域の需要に迅速で安定的に応える体制を整える。

生産ラインの調整や副資材と製品の搬送、データ収集と分析、生産計画の策定まで、広範な業務で自動化を実現。将来的には、一定時間の無人オペレーションも可能な工場を目指す。一連の技術は、国内外の他工場への展開も予定しており、全社で生産性を20%以上向上させる。

新工場には太陽光発電設備や省エネ機器を導入し、非化石証書を活用することで、使用電力の100%を実質再生可能エネルギーとするカーボンニュートラル工場にした。合わせて、地震や液状化、高潮などの災害対策を施すなど、BCP(事業継続計画)対応も強化した。

日清製粉は、中四国地区の内陸にあった岡山工場(岡山・岡山市)を2025年7月、坂出工場(香川県坂出市)は9月に閉鎖し、生産を水島工場に集約する方針。関東、関西、九州に続き、中四国でも臨海大型工場に集約を完了させ、供給体制の安定化と生産効率の向上を図る。