ユーゴー、カナデビアがごみ焼却発電施設の電気設備点で業務ロボット「ugo mini」を実証

カナデビアのごみ焼却発電施設で電気設備点を行う「ugo mini(ユーゴーミニ)」
カナデビアのごみ焼却発電施設で電気設備点を行う「ugo mini(ユーゴーミニ)」

ユーゴーは、カナデビアが、ごみ焼却発電施設の電気設備の点検業務で小型業務ロボット「ugo mini(ユーゴーミニ)」を導入し、人的工数の削減とデータを活用した業務改善の効果を検証すると発表した。

今回の取り組みでは、「ugo mini」が施設内のタービン室・低圧電気室を1日3回、自動巡回する。ロボットは、事前に設定したマップに基づいて自律走行し、対象の計器、制御盤インターフェースの表示、ブレーカーやスイッチ、ランプ類の状態を撮影や記録する。

取得した画像は、クラウド型点検AI(人工知能)サービス「LiLz Gauge(リルズゲージ)」と連携しデジタルデータ化され、レポートとしクラウドロボット管理プラットホーム「ugo Portal(ユーゴーポータル)」にアップロードされる。「LiLz Gauge」は、アナログメーターの画像から高精度に数値を読み取るAIサービスで、円型、矩形型、カウンタ型、ナナセグ型、レベル型、フロート型、ランプ型の7種類のメーターに対応する。

カナデビアによると、ごみ焼却発電施設は、広範囲に設置された電気設備や機械装置に対する点検が求められるため、作業員の移動負荷が大きいという。同社が運営する施設では、これまで電気主任技術者が巡回し、電気設備点検を手作業で行われていた。また、点検は目視や手書き記録に依存するケースが多く、省力化とデジタル化による運用体制の見直しが急務となっていた。

カナデビアでは点検の精度向上と将来的な安定運用を見据えて、今回、「ugo mini」を使った自動巡回点検の実証に踏み切った。実証を通じて自動化が可能な点検項目の洗い出しや、ほかの施設への展開可能性を検討する。今後は、点検データの蓄積と可視化を活用し、予防保全やトラブルの早期発見につながるスマートメンテナンスの実現を目指す。