ユーゴー、トヨタ紡織が工場の巡回点検自動化でAI搭載小型ロボット「ugo mini」導入

トヨタ紡織が工場に導入したAI搭載の小型点検ロボット「ugo mini(ユーゴーミニ)」
トヨタ紡織が工場に導入したAI搭載の小型点検ロボット「ugo mini(ユーゴーミニ)」

ユーゴーは9月11日、トヨタ紡織が猿投工場ものづくり革新センター(愛知・豊田市)に、AI(人工知能)搭載の小型点検ロボット「ugo mini(ユーゴーミニ)」を導入したと発表した。

「ugo mini」は、セキュリティールームや狭小空間など従来のロボットでは入室が難しい場所に常駐させることを想定して開発された小型点検ロボット。ホテルや介護施設など静音性が求められる現場にも適応可能な走行性能を備える。ユーゴーの主力業務ロボット「ugo(ユーゴー)」よりもコンパクトで低価格なモデルとして提供する。

トヨタ紡織では、設備やエネルギー管理の効率化と人的負荷の低減を両立させる新しい点検体制を構築することを目的に「ugo mini」を導入した。ロボットの点検業務の有効性を検証し、将来的には複数の工場現場に応用できる改善策を生み出すことを目指している。

具体的な取り組みとして、設備や備品の配置・稼働状況を定期的に確認し、管理業務の効率化する資産管理の自動化で活用する。設備の稼働状況、備品の在庫管理、金型の配置状況を定期的に確認し、撮影した画像をAIで分析することで、追加投資なしで管理を自動化する。

また、施設内を巡回して照明や空調の操作パネルを確認し、消し忘れや不要な稼働をAIで検知することで、省エネ改善のポイントを可視化する。

さらに、サーマルカメラを活用してバッテリーチャージャーや電源周辺を重点的に監視し、火災リスクの兆候を早期に把握できるようにする。加えて、施設内を巡回し、暑さ指数(WBGT)を測定して警戒箇所をマップ上に表示することで熱中症リスクを低減し、危険度に応じてアラートを発信して従業員に休憩や水分補給を促す。

導入の背景には、製造業全体に広がる設備やエネルギー管理体制の高度化や働き方改革への対応がある。トヨタ紡織では製造現場の新技術の検証を進めるなかで、必要なタイミングで必要な場所だけを点検できる特性とスモールスタートで改善効果を試せる点を評価し「ugo mini」を採用した。

今後は、「ugo mini」の活用範囲を製造現場でさらに拡大し、安全衛生の強化や業務効率化を進める。また、今回の取り組みをトヨタ紡織全体の工場改善モデルとして、ほかの拠点にも広げる。2社が連携し、製造現場での幅広い適用を確認しながら、工場全体で活用可能なシステムの構築にも取り組む。