マリンドウズ、ロボットEV船の量産化プロジェクト開始

ロボットとEV技術を使ったロボットEV船の量産化プロジェクトを開始

海事産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進支援を手掛けるMarindows(マリンドウズ、東京・中央区)は9月22日、ロボットとEV技術を使ったロボットEV船「DroneSHIP(ドローンシップ)」の量産化プロジェクトを開始すると発表した。

「DroneSHIP」は、船員の作業をロボットが行うことで、業務を削減し安全で効率的な運航ができるようにする。また、EV化で、船の推進機関をモーター中心の電動駆動に置き換えることで、バッテリーから供給される電力で、港湾内や停泊中はゼロエミッションを実現する。加えて、発電機からの電力供給で既存船と同等以上の航続距離と速力を確保する。

船舶の主要機器と運用・管理は標準・モジュール化し、陸上からの管理や教育の効率的を図る。メーカーからの遠隔支援を容易に受けられるようになることから、船員だけではなく、陸上管理者も求められる技量や経験の削減できるという。

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船舶の主要機器と運用・管理は標準・モジュール化でコスト競争力を確保

さらには、標準化とモジュール化での大量生産を想定しており、造船や舶用メーカーの生産性向上に加え、スケールメリットによる価格競争力向上で、国内需要だけでなく海外輸出促進による産業規模の拡大も見込んでいる。

マリンドウズでは、最初のステップとして内航船の中で最も隻数が多く、課題が深刻とみているな総トン数が499GTと749GTのタンカー焦点を当てた実現可能性調査をとパートナー企業と共同で行う計画。

調査では、船の標準化やモジュール化、船舶管理、マンニング、教育、保険、ファイナンス、海外輸出といった「DroneSHIP」を活用した、新しい内航海運のインフラ構築に必要なシステムも検討する。調査は2023年10月から2024年3月までの6か月を予定している。同社では、期待する結果を得ることができれば、2026年に初号機の受け渡しを目指すとしている。