ANAホールディングス(HD)は10月13日、沖縄県久米島町で、有人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル4)のドローン配送サービスの実証実験を実施すると発表した。
2022年12月の航空法改正後、レベル4は解禁となったが、実施には、無人航空機の型式認証、操縦士ライセンス、運航管理のルールが必要となる。
今回、ANAHDでは実証に向け、国土交通省航空局から第一種型式認証を取得したACSLのドローン「PF2-CAT3」を採用し、国家資格の一等無人航空機操縦士資格を持つ自社の操縦士、安全管理、運航管理、整備部門などの航空会社として培ってきた知見を生かした飛行マニュアルでレベル4の飛行承認を取得した。同社によると、自社の操縦士のレベル4運航は国内で初という。
レベル4は運航者1名で実施が可能で、実証ではドローン配送の課題の1つとする、運航の省人化の検証を行う。経路は、久米島町のAコープ久米島店から久米島町真謝地区で設定。地域ボランティアと連携し、食料品や日用品を注文者の自宅まで配送するラストワンマイル物流の実施も含めて、技術・ビジネス面で有用性を確かめる。
ANAHDは、2018年からドローン配送サービスの検討を開始し、これまで14回の無人地帯での目視外補助者なし飛行(レベル3)の実証実験を実施している。今回のレベル4の実証を通じて、運航体制、飛行経路などを検証し、ドローン物流事業の社会実装を目指すとしている。