DNP、ロボットとRFID活用の図書館向け蔵書点検サービス開始

サービスで使用する蔵書点検ロボット

大日本印刷(DNP)は10月16日、ロボットとRFID(ICタグ)を活用した図書館向け蔵書点検サービスを開始すると発表した。初期費用は作業設計費が30~50万円、作業費は3.5円/冊。

サービスでは、RFIDを活用することで、様々な厚みや大きさの資料でも、作業時間を大幅に短縮する。点検はロボットが行う。導入では、図書館への事前調査、作業設計、蔵書点検ルートや手順等の設計、作業員や機材の確保など準備作業、実際の蔵書点検作業の代行を実施。その後、図書館ごとのRFIDの利用状況に応じて、効率的なスキャニング手法を提案する。RFIDが未導入の図書館に向けた導入支援も行う。ロボットは富士物流と共同で開発した。

DNPはサービス構築や機器仕様設計を行い、Dグループ会社の図書館流通センターと丸善雄松堂を通じてサービスを提供する。一方、富士物流は、作業検証、点検作業、機器開発を行う。

DNPによると、図書館運営で、蔵書点検は、本に付与したバーコードやRFIDを手作業で読み取ることが多く、数か月前から計画を立て、1週間程度休館し作業を行うため、休館で利用者に長期の利用制限が発生すことと、作業者の作業負荷や臨時雇用の必要など、効率性向上が課題となっているという。その課題解決としてサービスを開発した。

今後は、サービスを通じて、図書館職員の蔵書管理業務を効率化し、本の仕入れの最適化や利用者の利便性・満足度の向上を支援するほか、近年の図書館に求められている創発的な活動を生み出す場に対応するための職員教育やサービス開発などにつなげる。

また、UHF帯RFIDを活用し、図書館内の閲覧履歴を自動的に取得するシステムを開発し、館内でよく読まれる本のジャンルやテーマを可視化し、選書の効率化などにつなげる取り組みも進める。システムは、書店でのRFID導入の実証実験にも活用する。DNPでは、RFIDを活用した蔵書管理関連サービスで2027年度までに累計10億円の売り上げを目指す。