東海旅客鉄道(JR東海)は11月1日、神奈川県、神奈川県相模原市と、JR東海が建設する「中央新幹線神奈川県駅(仮称)」の周辺開発を契機とした、さがみロボット産業特区でのイノベーションの創出促進を目的に連携協力協定を締結したと発表した。
3者は、ロボットの実用化、宇宙開発、新素材発明などの研究開発の推進、R&D拠点の整備・運営、企業誘致の促進と起業の支援、企業・研究者・学術機関の交流促進、循環型社会の形成で連携する。また、協定の目的を達成するために必要な事項でも協力する。
具体的には、さがみロボット産業特区で神奈川県が進めてきた生活支援ロボットの実用化と普及促進、相模原市が進める「神奈川県駅(仮称)」の周辺のまちづくりと市内産業活性化、JR東海が有識者や企業などと進める人々の生活を豊かにするための技術の社会実装で、それぞれが保有する知識や経験、関係者との関係性などを相互に活用し、さがみロボット産業特区でのイノベーション創出を加速させる。
JR東海は、建設する「中央新幹線神奈川県駅(仮称)」で、さがみロボット産業特区を含めた周辺地域のまちづくり推進に協力。また、駅周辺の事業開発で、沿線都市と移動の価値を高め、人々の豊かな暮らしを実現するための候補の1つでR&Dセンターの運営を視野にいれ検討を進めていた。
神奈川県は、県内の10市2町を対象に、2013年2月に国から「さがみロボット産業特区」として地域活性化総合特区の指定を受け、生活支援ロボットの実用化を通じた県民生活の安全・安心の確保と地域経済の活性化で、ロボットの開発・実証実験の促進、普及啓発や関連産業の集積促進を行っている。また、2023年度から始まった第3期計画では、中小企業のロボット産業への参入支援と、ロボットの社会実装の加速化に重点的に取り組んでいる。
相模原市では、市内外の企業や研究機関などと交流を図りながら企業誘致や起業支援、スタートアップ企業の創出・育成を推進するとともに、イノベーションを創出し、市内産業を活性化することを目的に、相模原アクセラレーションプログラムや「オープンイノベーションプログラム「Sagamihara Innovation Gate」、イノベーション創出促進拠点運営事業を実施する。JR東海は相模原市が公募した「イノベーション創出促進拠点運営委託事業」に選定されており、2024年春にJR橋本駅南口付近に拠点を建設し運営を開始する計画。
こうした背景から、3者は、さがみロボット産業特区でのイノベーションの促進を掲げ、それぞれの資源を有効に活用し相互に連携と協力することした。