戸田建設は10月28日、長崎市の大型複合施設「長崎スタジアムシティ」で、ジップライン用に資材を運搬するロボットを導入するコンサルティングを実施したと発表した。
サッカースタジアム上空を滑走する「ジップライン」のハーネスや関連資材を運搬用にZMP(東京・文京区)の配送ロボット「DeliRo Truck(デリロトラック)」を導入した。「ジップライン」は、施設のオフィス棟「STUDIUM CITY NORTH」屋上から、商業棟「STADIUM CITY SOUTH」屋上を結ぶアクティビティ。ロボットは、ジップラインに必要なハーネスなどを載せ、商業棟とオフィス棟を結ぶ、片道で約380mのコンコース間を自動運転で荷物を搬送する。
ジップラインは、滑走した人が装着していた滑走するためのハーネスなどの器具をゴール地点で取り外し、その器具を再びスタート地点に戻し、新たな滑走者に提供する。そのため、ゴール地点からスタート地点にハーネスや関連資材、小物類などの備品の運搬が必要となるが、器具が非常に重量があることで、運搬方法や人材の確保が課題となっていた。そこで、その作業をロボットに行わせることにした。
戸田建設では「長崎スタジアムシティ」の施設全体でロボットの活用を計画し、これまで人が行ってきた作業をロボットで代替することで、人件費の削減や人手不足の解消を目指している。今後は、ジップラインのハーネスや関連資材の運搬だけではなく、清掃や配達などのロボットの実装と実証実験も実施する計画。
同社は、ロボットフレンドリー環境構築の計画と運用のコンサルティング事業を展開しており、今回の取り組みが第1号となる。経済産業省の「令和6年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(ロボットフレンドリーな環境構築支援事業)」で、ジャパネットが設立した地域創生事業などを手掛けるリージョナルクリエーション長崎と採択を受け参画し、プロジェクト統括を担当している。