
エアロネクストは4月23日、子会社のネクストデリバリー、アルフレッサと、ドローンの医薬品配送ガイドラインに準拠し、普段で利用する商品やサービスを有事(災害時)にも活用できるようにする「フェーズフリー」の考え方に基づいた、ドローンが医療機関に医薬品を定期配送するサービスを、静岡県川根本町で4月22日から開始したと発表した。
サービスは、物流専用ドローン「AirTruck(エアトラック)」を使用し、航空法で分類されている一定条件で安全監視の補助員を置かずにドローンを運航できる「レベル3.5飛行」で実施。温度管理や施錠管理などの規制を定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠した方法で定期配送を行う。

配送では、ドローン配送と陸上輸送を融合した物流サービス「SkyHub(スカイハブ)」を活用する。アルフレッサの医薬品輸配送のノウハウ、エアロネクストのドローン技術、ネクストデリバリーのドローン配送の実績とノウハウを組み合わせ、地上輸送とドローン配送を連結した医薬品配送の仕組みを構築した。

具体的には、アルフレッサが静岡物流センターからネクストデリバリーの配送拠点まで、陸路で必要な医薬品を輸送。その後、配送拠点から遠方のエリアをドローンか車両で配送する。まずは1軒の医療機関から実装を開始。その後、川根本町内の病院に拡大する。

川根本町は静岡県の中央部に位置する。町域は大井川に沿って東西約23km、南北約40kmと南北に細長い形状で、総人口は5789人。面積は496.72km2で、約90%を森林が占める。
自然環境が豊かな一方、町の中心地から離れた地域が散見され、高齢化に伴い日常の買い物に困る人が少なくない。有事に孤立する可能性のある地域も多く、災害などで道路が遮断された場合の物資輸送が課題となっている。3社はこうした課題解決に向け医薬品のドローン配送を始めることにした。