グラウンド、オートバックスセブンが東日本ロジスティクスセンターにAMR導入

オートバックスセブンに採用されたAMR「PEER 100」
オートバックスセブンに採用されたAMR「PEER 100」

GROUND(グラウンド、東京・千代田区)は7月29日、オートバックスセブンが、AMR(自律移動ロボット)「PEER(ピア)100」を、物流センター「東日本ロジスティクスセンター」(千葉・市川市)に導入したと発表した。2024年9月から稼働を開始しており、EC(電子商取引)物流部門のピッキング作業で、生産性が約2倍に向上したという。

「PEER 100」は、中国のロボットメーカーとの共同開発したロボットで、現場作業者との協調し、柔軟で効率的なピッキング作業を行う。グラウンドとオートバックスセブンは2022年1月に戦略的業務提携契約を締結し、AMRの活用を含めた物流基盤の構築を進めてきた。こうした背景から、オートバックスセブンは、EC物流の物量の波動や人員の確保といった課題の解決手段で導入に踏み切った。

可搬重量は最大100kgで、架台やバスケットのカスタマイズにも対応する。オートバックスセブンでは、1台あたり25リットルのオリコン6台を搭載することで、業務に即した運用ができるようにした。

グラウンドのWMS(倉庫管理システム)と連携しており、ロボットが出荷データを取り込む。そのため、出荷指示はロボット搭載のタブレットと作業者の目視でダブルチェックが可能で、作業の経験や熟練度に依存することなく、高いピッキング精度の維持と向上を実現した。

導入後は1時間あたりのオーダー数、行数、ピース数など主要な指標で作業効率が改善。ピッキングの生産性は約2倍になった。導入した7台の全てが稼働することで、それまで必要だった作業者数の約半分で同等の処理が可能になるという。

「PEER 100」は、無軌道での走行が可能で施設内の大幅なレイアウト変更が不要。そのため、オートバックスセブンは既存環境を維持したまま短期間で導入した。本格導入前にはPoC(概念実証)で、過去の出荷データを基にしたシミュレーションを実施したことで、最適な導入台数とスムーズな運用開始につながった。

グラウンドでは、東日本ロジスティクスセンターでの導入実績をもとに、同施設内の他部門や西日本ロジスティクスセンターへの展開も視野に入れている。今後も、「PEER 100」の安定稼働を支援しながら、オートバックスセブンの物流効率向上に向けた継続的な支援を行うとしている。